2. eコマース開発からリリースまでの流れ

本章では、eコマース開発からリリースするまでの流れとして、eコマース開発環境の準備、ロットチェック、配信についてそれぞれ説明します。

2.1. eコマース開発環境の準備

eコマース開発環境とは、開発機でeコマース機能を確認するために任天堂が提供する環境です。

eコマース開発環境を利用するには、「Online title Management System」(OMAS)への申請が必要となります。具体的には、OMAS でタイトル申請して「Eコマース」項目の追加をお願いします。項目申請後に任天堂が承認および eコマースサーバー設定を行うと、開発環境を利用できます。

 

OMAS 申請内容の概要について説明します。

  • 「Eコマース」項目

追加コンテンツおよびサービスアイテムを利用するための情報を入力します。

  • アイテム引換券の申請および発行依頼

追加コンテンツおよびサービスアイテムで利用するアイテム引換券の利用を申請します。詳細は 7.1. 引換券を開発環境で利用する手順 を参照してください。

  • サービスアイテム利用時の独自サーバー申請

サービスアイテム利用時は「Eコマース」項目申請と同時に「独自サーバー」で独自サーバーを申請する必要があります。REST API を利用する場合は、独自サーバーとeショップサーバーが通信するために独自サーバーが利用するクライアント証明書も併せて発行する必要があります。REST API に利用するクライアント証明書発行の依頼は OMAS の「独自サーバー情報」の「eShop Web Service利用申請」で行います(CSR の署名依頼)。任天堂のeコマース開発環境設定と同時に、本項目で申請されたクライアント証明書のコモンネームが eショップサーバーに登録されます。登録するクライアント証明書の種類は 2 種類あります。1つは開発環境で利用するもので、少なくともこの申請がないと eコマース開発環境が利用できません。もう 1 つがロットチェック環境および製品環境で利用するもので、こちらは少なくともタイトルのロットチェック提出までに申請が必要になります。

2.2. ロットチェックへの提出

追加コンテンツの ROM は任天堂のロットチェックが必要です。ロットチェック完了後、任天堂にて製品環境に配信されます。

 

任天堂でロットチェックを行いますので、以下の2つを提出してください。

  1. 追加コンテンツの ROM
  2. 提出する追加コンテンツの ROM のバージョンに応じ たIMAS のカタログ 

 

1.については、3DS マスター ROM 提出手順書を参照してください。

2.はIMAS にて、カタログの提出を行ってください。

カタログにはカタログID が割り当てられており、IMAS で確認できます。ロットチェック提出時のチェックシートにカタログID を記載する欄があります。

 

一度に任天堂に提出できるカタログは 1 つのみです。

何らかの理由でカタログを変更して再提出したい場合は、カタログの差し戻し処理を任天堂にて行う必要がありますので、窓口までご連絡ください。

 

サービスアイテムに対応したアプリケーション ROM の検査時も、同様に IMAS のカタログ提出が必要となります。

 

 

 

 

2.3. 追加コンテンツおよびサービスアイテムの配信

製品環境への追加コンテンツおよびサービスアイテムの配信は任天堂にて行います。具体的には、IMAS から提出されたカタログを任天堂で製品環境に反映します。

その反映にあたって、任天堂では特殊な環境で製品機による追加コンテンツの購入やダウンロードを確認することがあります。その際サービスアイテムを配信する場合は、ご連絡のうえで独自サーバーに接続させて頂くことがあります。

 

アイテム販売開始の前に QA 確認を行うため、任天堂が確認用の価格をつけることがあります。例えば、7月8日 10:00 販売開始のアイテムの QA 確認を7月6日に行う場合、任天堂側で販売期間7月6日 14:00~17:00 のように価格情報を追加します。QA 期間終了後にカタログ反映を行うため、製品環境に影響はありません。一方、このときに付けた QA 価格は次回カタログ提出時に必要になります。任天堂による製品環境のカタログ反映後は提出された IMAS のカタログが「配信済み」ステータスとなり、開発環境の価格情報に QA 価格が含まれるようになります。 製品環境の価格情報の整合性を維持するため、配信後の次回以降に提出するカタログには、この QA 価格が含まれている必要がありますので、QA 価格は削除しないようご注意ください。

 

上記のように、カタログは実際の販売開始日より前に配信を行います。そのため、もし適切に価格が設定されていないと誤ったタイミングや価格でユーザーにご購入されてしまう可能性があります。例えば、あるアイテムの販売開始日が7月8日 10:00 で価格が100円のとき、もし7月7日 23:59 終了のデバッグ用の0円の価格設定が残っている場合、任天堂の配信が7月6日とすると7月7日 23:59 まで0円でアイテムが購入されてしまいます。カタログご提出時はご注意ください。 

 

カタログの配信後にアイテムの説明や価格を変更する場合は、IMAS のカタログを提出のうえで窓口に配信を依頼してください。ご提出したカタログを任天堂が製品環境で反映すると有効になります。なお、アイテム説明文などの情報に変更がある場合、反映した時点でその変更が製品環境に有効になりますのでご注意ください。