1.10. 用語説明

ここにあげる用語は Pia で使われている用語です。他のドキュメントでは、同じ用語を別の意味で使用することがあります。

セッションに関連する用語

用語 説明
セッション ゲーム参加者が集合する場所のことを示します。セッションは、サーバー上のグループであるマッチメイクセッション(またはローカル通信のネットワーク)と P2P 接続状態であるメッシュの 2 つの要素から構成されています。
ステーション(またはメンバー) セッションに参加している端末のことを示します。
プレイヤー セッションに参加している端末上で実際に遊んでいるユーザーのことを示します。
ホスト(セッションホスト) セッションの中で、セッションの管理者権限を持つステーションのことを示します。
クライアント(セッションクライアント)

セッションの中で、セッションホスト以外のステーションのことを示します。
セッションホストと対比したい場合に "セッションクライアント" と呼ぶ場合があります。

ホストマイグレーション(親交代)

セッションホストがセッションから離脱する場合に、残ったステーションの内一台にセッションホストとしての役割を移譲する処理のことを示します。
マッチメイクセッション(ギャザリング) マッチメイクサーバー上で登録されているグループ(集まり)のことを示します。マッチメイクセッションには登録済みでも、メッシュにはまだ接続完了していないタイミングが存在します。

メッシュ(P2P メッシュネットワーク)

お互いが P2P 通信接続できているステーションの集合のことを示します。ステーション間の接続は直接接続できている場合と、他のステーションを経由して接続(中継)できている場合があります。

ネットワークトポロジー メッシュを構成する接続形態のことを示します。全ステーションがお互いに直接接続できているフルメッシュ型ネットワークトポロジーなどがあります。
ジョイントセッション 複数のセッションを集合させたセッションのことを示します。

通信網に関連する用語

 

用語 説明
ノード ネットワークに接続している端末を指します。
リンク ノードとノードの繋がり。多くの場合、ノード同士が直接データをやり取りできる通信路を指します。
ネットワーク 複数のリンクにより形成される通信網をネットワークと呼びます。
インターネット 一般的に用いられている "インターネット” と同義です。
LAN ここでは "家庭内LAN" や "無線LAN" のような、局所的な IP ネットワークのこと (狭義 の LAN) を指します。
UDS ネットワーク

任天堂独自の通信方式である UDS 通信が形成するローカルネットワークです。

 

インターネット通信に関連する用語

用語

説明

ゲートウェイ ネットワーク (例:LAN) とネットワーク (例:インターネット) の橋渡しをする機器を指します。例えば、無線 LAN からインターネットにアクセスする際に用いる無線ルーターがこれに該当します。
NAT Network Address Translation。ゲートウェイが LAN からインターネットにアクセスする際に行う IP アドレス (及びポート番号) の変換処理を指します。
NAT トラバーサル NAT を隔てた先にある端末と通信するための処理またはアルゴリズムを指します。
MTU Maximum Transmission Unit。ネットワークにおいて一回の転送で送信できるデータの最大値を示す値を指します。

データ通信に関する用語

用語 説明
パケット ネットワークを介して送受信されるデータのかたまりを指します。
ヘッダー + ペイロード(実データ部分) で構成されています。
ペイロード 主にパケットなどの実データ部分を指します。
アンリライアブル
(Unreliable) 通信
送信したデータが、送信相手に届くことが保証されていない通信方式を指します。
一般的にリライアブル通信よりも高頻度にデータをやり取りできます。 (例: UDP)
リライアブル
(Reliable) 通信
送信したデータが、送信相手に確実に届くことが保証されている通信方式を指します。
アンリライアブル通信と異なり、基本的にデータが相手に届かなかった場合を考慮する必要がありません。(例:TCP)
 ※送信相手がセッションから離脱した場合、長時間送信相手からの応答が無い場合などではデータは届きません。
ユニキャスト
(Unicast)
指定した一台のステーションに対してデータを送信することを指します。
ブロードキャスト
(Broadcast)
自分以外のすべてのステーションに対してデータ送信をすることを指します。
レイテンシ データの送信を開始してから、そのデータを相手が受信するまでの時間 (遅延) を指します。(参照: 図 1-1. レイテンシと RTT の違い)
一般的に、ローカル通信ではレイテンシは低く、インターネット通信ではレイテンシは高くなります。
RTT
(Round Trip Time)
以下の一連の処理にかかる時間を指します。
  1. ステーション A があるデータをステーション B に送信し、
  2. ステーション B がそのデータを受信、処理して結果をステーション A に返信し、
  3. ステーション A がステーション B からの応答を受信する
RTT は「往復レイテンシ」とほぼ同義で、理論上 レイテンシの2倍強 となります。
ジッター
(Jitter)
レイテンシや RTT のバラつきを指します。
※ 通信の遅延時間は様々な要因で変化するため、一定ではありません。
図 1-1. レイテンシと RTT の違い

 

Pia における処理区分に関する用語

用語 説明
初期化処理 Initialize()/CreateInstance() 系関数などの処理を指します。
Pia に割り当てられたメモリ領域からのメモリ確保が伴うことがある処理です。
スタートアップ Startup() 関数の処理を指します。
初期化処理の後で実行する処理であり、オブジェクトを利用可能な状態にします。メモリ確保/解放処理は発生しません。
クリーンアップ Cleanup() 関数の処理を指します。
スタートアップと対をなす処理であり、オブジェクトを利用できない状態にします。メモリ確保/解放処理は発生しません。
終了処理  Finalize()/DestroyInstance() 系関数などの処理を指します。
初期化処理と対をなす処理であり、 初期化処理によって確保されたメモリの解放を伴うことがある処理です。